ものづくりとは~福富製作所のものづくりについて~
当社は創業から90年以上、様々な製品を作り続けてまいりました。その過程の中で、自社ブランドのオリジナル製品も多数手掛けてまいりました。
当社のものづくりの根幹とは、その歴史の中で長年培った熟練の技術と、ITを駆使した最新の技術、この2つを融合させたものであるということができます。
では、連動門扉の製造を例にとって、当社のものづくりを説明していきます。
◎設計~受注
お客様から問い合わせがあると、その現場に合わせた門扉を設計します。開口寸法、高さはもちろんのこと、どのようなデザインにするのか、どのようなオプションをつけるのか等、お客様の要望を聞いていきます。
およその要望を聞いた後、過去の実績を踏まえて、今回はどのオプションをどのように組み合わせて製作したらいいかを検討し、CADによる図面を起こしていきます。
その図面と見積もりをお客様に提出し、その仕様を説明し、予算と仕様を相談しながら、要望にかなう門扉を決定していきます。お客様にご納得いただいて初めて受注となります。
◎材料手配
お客様からご注文をいただいた後、まずはじめに材料の確認と手配を行います。通常在庫している材料であればその数量が足りるのかを計算し、特殊な部材があれば今回新たにその部材の手配に入ります。
どちらにしても、その都度材料から全て手配をして門扉の製造にかかります。
◎製造
お客様に提出したの図面をもとにして、実際に製作に入るための製作図を起こし、各工程に必要な図面を部署別に配布します。各担当作業者は、レール、本体、台車等の製作を別々に同時進行していきます。
製作途中で製作方法等不明な点があれば、作業者と設計者がその都度打ち合わせし、丈夫で適切に製作できる方法を決定していきます。
このようにしてレール、本体、台車の製作が終了すると、それらの部材を組み立てていく最終組み上げ作業に入ります。必要な部品全てを取付して、図面と仕様が合っているか確認しながら完成させていきます。
◎完成品
当社の門扉は、実際の現場へ行ってから組立するのではなく、当社の工場内において完成品に仕上げますので、現場ではトラックに積んでいった完成品をおろして、レールの上に取付するだけとなります。
大手他社メーカーでは、工場内では各部材バラバラの状態で出荷し、現場において組立する場合がほとんどです。そのような組み立て方ですと、現場の取り付け職人さんの経験や力量によって完成品の品質が変わってしまい、一定の品質を保った完成品とすることができない恐れがあります。
当社ではそのような心配がないため、正常な完成品状態が保たれたまま、実際のレールの上に施工することができます。また多くの場合、実際の取付は、当社の専門の取付職人さんの手で取付をいたします。現場の状況に応じ、必要に応じて工場と相談しながら、実際に取付を行っていきます。取付が終わってはじめて本当の意味での製品となるのです。
◎一貫生産
上記のように、当社では材料から完成品まで一貫生産を行っておりますので、品質の維持はもちろんのこと、間違いのない製品を工場内で作り上げることができます。
◎生産管理
材料の手配から完成品の出荷までは、生産管理システムを使って、今その製品がどこまで進んでいるのかという進捗状況を、事務所内でリアルタイムに知ることができます。それによってお客様との納期の打ち合わせもスムーズに行うことができます。
◎メンテナンス
当社の連動門扉の部品は、主要の部品について50年近く仕様を変更しておりません。もちろん、材質等のバージョンアップはしておりますが、基本的に数十年前の門扉であっても、消耗部品を交換するが可能です。そのため、メンテナンス修理を施せば、新品のように開閉動作をスムーズにすることも可能です。
大手他社メーカーは、通常約7年サイクルで部品の規格が変更されてしまうため、それより前の製品の部品を交換することができない場合が多いようです。当社ではそのようなこともなく、お客様に長く製品を使用し続けていただくことができます。
◎やりがい
当社の門扉は、設計から完成品まで一貫生産しております。その上、門扉という製品の性格上、納品した後もその製品をまちで実際に見ることができます。
自分が手がけた製品が、実際に社会でどのように使われているのか、そのデザインが街の景観に合っているのか、そのあたりまで含めて長い期間確認できるという事は、当社のものづくりの大きな特徴でもあり、醍醐味であるといえます。
社員全員が、門扉を作ることに対して誇りを持っており、ものづくりに真剣に向き合っているのです。
当社のものづくりの一端をご紹介いたしましたが、今後も社会に貢献できる様々な製品を製造し続けることを使命として取り組んでいきたいと思います。
株式会社福富製作所 代表取締役 石崎雅彦